-
西念寺(奈良県天理市)— 宿院仏師の凜々しくも美しい長谷寺式十一面観音
宿院仏師。仏像好きでも、この名前をあまり耳にしたことがない人は多いだろう。かく言う私もつい最近まで全く知らなかった。 宿院というのは地名であり、現在の奈良の宿院町、奈良女子大学の南のあたりのことである。もともとは藤原氏のための春日祭勅使の... -
阿日寺(奈良県香芝市)— 恵心僧都生誕の地に広がる来迎ワールドと独特な魅力を湛える大日如来
恵心僧都・源信といえば、『往生要集』を著したことで知られる。この書は、後に法然や親鸞へと受け継がれ、平安末期からの浄土信仰の広がりへとつながっていくことになる。その源信が生まれたとされているのが阿日寺(あにちじ)である。 考えてみると、今... -
普門寺(山梨県山梨市牧丘町)— つるっとした素朴な薬師如来の目の謎
山梨県には素晴らしい仏像がたくさんあるが、山梨の文化財の仏像は、ご開帳日を春に設定しているお寺が多いというイメージがある。今回は毎年3月最終日曜日にご開帳される山梨市牧丘町の普門寺を訪れた。 発達した低気圧と前線が列島通過中ということで雨... -
円明寺(岐阜県可児市)【後編】— 五大明王磚仏と弁財天、緻密な釈迦三尊像
— 前編より 岐阜県可児市には優れた仏像が遺されているが、土岐源氏の城のあった久々利の里にある円明寺は、まさしく土岐源氏によって再興されたゆかりのある寺である。平安時代作の地蔵菩薩を始め、数多くの仏像を有している。 本堂の秘仏・本尊薬師如来... -
円明寺(岐阜県可児市)【前編】— 土岐氏由来の古刹に展開する仏像ワールド
岐阜県可児市は私の出身地である愛知県犬山市と県境を挟んだ隣であることは前回のエントリでも書いたとおりである。私が小学生の頃はまだ可児郡可児町で、市民の私は、「まぁ町民だしねぇ」と子どもらしいバカな考えをしていたら、名古屋のベッドタウンと... -
願興寺(岐阜県可児郡御嵩町)— かつての繁栄を物語る素晴らしき仏像群
岐阜県はかつては文化薫る街道沿いの街であった、と、このブログでも繰り返し書くということは、つまりそれは今は昔ということの裏返しでもある。今回取り上げる可児(かに)郡にある中山道の宿場であった御嵩(みたけ)や、信長の重臣・森可成の居城とし... -
浄土寺(岐阜県岐阜市福富)— 頭の大きな平安仏と、つるっとした鎌倉仏
私の地元は愛知県犬山市である。ここには国宝4城のひとつである犬山城や明治村など、数多くの観光地があり、関東でも知っている人は多い。しかしそこが愛知県であるということを知っている人は実はそんなにいない。皆さん岐阜県だと思っていらっしゃるよ... -
大江戸見仏オフ(品川区、大田区、目黒区)
SNSの仏像コミュニティ(mixiのSexy仏像コミュ)の見仏オフ会が新年早々催され、当日は40名近い人数が集まった。このコミュニティの存在は知っていたものの、今回初参加の私としては、参加者の多さに驚いた。 JR西大井駅前で集合して、まずは歩いて10分ほ... -
安養寺 【その1】(東京都日野市)— 古刹に君臨するサタデーナイト毘沙門天
お正月早々のエントリということで我が家のお鏡さん。今年もよろしくお願いします。 私が現在住んでいるのが、東京都の西部、多摩地区の中ほどにある日野市である。ここは何と言っても新選組が有名であり、仏像好きならば高幡不動が真っ先に思いつくだろう... -
明王院(神奈川県鎌倉市)― 納め不動2013
毎月28日というのは不動明王の縁日だ。他にも観音菩薩は18日、薬師如来は8日、閻魔大王は16日、地蔵菩薩は24日などなど、仏だけではなく弘法大師や神様など、数多くの縁日が決まっている。 そもそも縁日って何だ?と調べてみると、特定の神仏に関係の深い...
最近のコメント