時代– category –
-
阿日寺(奈良県香芝市)— 恵心僧都生誕の地に広がる来迎ワールドと独特な魅力を湛える大日如来
恵心僧都・源信といえば、『往生要集』を著したことで知られる。この書は、後に法然や親鸞へと受け継がれ、平安末期からの浄土信仰の広がりへとつながっていくことになる。その源信が生まれたとされているのが阿日寺(あにちじ)である。 考えてみると、今... -
旧白米寺収蔵庫(奈良県磯城郡川西町)— 見事な衣紋の堂々たる地蔵菩薩
生まれてこの方、奈良に通うようになってからずいぶんと長い年月が経っているが、その多くは奈良市、斑鳩町、桜井市、室生村、明日香村など、著名な寺院や遺跡のある場所だ。それ以外の場所というと、あまり知らないのが実情である。 今回訪れた場所は、川... -
百済寺(滋賀県東近江市)— 湖東三山開帳③ 異様で独特な植木観音
西明寺と金剛輪寺は車で5分程度の距離にあるが、百済寺(ひゃくさいじ)は湖東三山の中では最も離れている。とは言え、車で20分程度であろうか。田植えの準備がすすんでいる。琵琶湖周辺の田植えの風景は本当にきれいだ。 堂々たる石碑が百済寺への道であ... -
金剛輪寺(滋賀県愛荘町)— 湖東三山開帳② とてつもないパワーを秘めた「生身の観音」
西明寺を後にして、湖東三山の二山目である金剛輪寺へ向かう。 来た道を南へと少し戻り、途中で南東に折れて少しだけ入ったところに金剛輪寺の入口はある。駐車場はガラガラで、自分の車1台しか止まっていない状態。 この看板はマンション系の色使いでちょ... -
西明寺(滋賀県犬上郡甲良町)— 湖東三山開帳① 量感たっぷりな薬師如来立像
阿修羅ブーム以来かな、という気がするが、ここ数年来、各地で仏像をテーマにした特別展であるとか、秘仏の特別ご開帳であるとか、そうしたものが頻繁に行われていると感じる。今までよく知らなかった仏像やお寺であっても、ついそうしたニュースに目が行... -
普門寺(山梨県山梨市牧丘町)— つるっとした素朴な薬師如来の目の謎
山梨県には素晴らしい仏像がたくさんあるが、山梨の文化財の仏像は、ご開帳日を春に設定しているお寺が多いというイメージがある。今回は毎年3月最終日曜日にご開帳される山梨市牧丘町の普門寺を訪れた。 発達した低気圧と前線が列島通過中ということで雨... -
願興寺(岐阜県可児郡御嵩町)— かつての繁栄を物語る素晴らしき仏像群
岐阜県はかつては文化薫る街道沿いの街であった、と、このブログでも繰り返し書くということは、つまりそれは今は昔ということの裏返しでもある。今回取り上げる可児(かに)郡にある中山道の宿場であった御嵩(みたけ)や、信長の重臣・森可成の居城とし... -
安養寺 【その1】(東京都日野市)— 古刹に君臨するサタデーナイト毘沙門天
お正月早々のエントリということで我が家のお鏡さん。今年もよろしくお願いします。 私が現在住んでいるのが、東京都の西部、多摩地区の中ほどにある日野市である。ここは何と言っても新選組が有名であり、仏像好きならば高幡不動が真っ先に思いつくだろう... -
明王院(神奈川県鎌倉市)― 納め不動2013
毎月28日というのは不動明王の縁日だ。他にも観音菩薩は18日、薬師如来は8日、閻魔大王は16日、地蔵菩薩は24日などなど、仏だけではなく弘法大師や神様など、数多くの縁日が決まっている。 そもそも縁日って何だ?と調べてみると、特定の神仏に関係の深い... -
安産寺(奈良県宇陀市室生区)― 住民とともにある地蔵菩薩の心
奈良の中央の東部あたりの山間のお寺というと、長谷寺と室生寺がセットで紹介されることが多い。しかし桜井市から初瀬川に沿って東へと山へ入って行くと、長谷寺への入口はすぐに現れるが、そこから先はかなり遠く、室生寺はかなり奥だ。 室生寺は私が最も...