造形– category –
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地福院(静岡県河津町)— 破損しつつも女性らしき暖かさと美しさを感じさせる吉祥天
南伊豆の河津と言えば、何と言っても河津桜であろう。ソメイヨシノなどの桜よりも1ヶ月以上早く、梅と同じくらいのタイミングで咲き誇るピンク色の濃い桜で、とてもきれいだ。 ソメイヨシノは人工的な交配により作り出されたとの説が有力なのだそうだが、... -
西念寺(奈良県天理市)— 宿院仏師の凜々しくも美しい長谷寺式十一面観音
宿院仏師。仏像好きでも、この名前をあまり耳にしたことがない人は多いだろう。かく言う私もつい最近まで全く知らなかった。 宿院というのは地名であり、現在の奈良の宿院町、奈良女子大学の南のあたりのことである。もともとは藤原氏のための春日祭勅使の... -
壽宝寺(京都府京田辺市)—昼と夜の顔をもつ真数千手観音
奈良滞在も3日目となり、いよいよ今回の奈良旅のメインである東大寺の良弁忌の日となった。1年でこの日のみ、法華堂の執金剛神像と開山堂の良弁上人像が開帳されるのである。 法華堂の大改修工事が3年にわたっていたこともあり、執金剛神像は久しぶりのご... -
置恩寺(奈良県葛城市)―絶妙なバランスで立つ凛々しき観音
2日目は4つの寺院を巡る。 まずは奈良盆地の南西、葛城山の山裾にある置恩寺へ。 奈良市街からは24号線と、今はまだ無料の京奈和道路の先行開通区間を通り、橿原市まで来て西へと方角を変える。左に大和三山を見ながら進み、當麻寺への道と同じルートで... -
福光園寺(山梨県笛吹市)―慶派仏師・蓮慶による吉祥天および二天像
今年の夏も暑い。 最近は夏は暑く、冬はそんなに寒くはないものの雪がやたらと多い、という感じの気候だ。夏の雨の多さも異常で、熱帯化しているというよりは、気候のバランスそのものが崩れているような気がする。 そんな暑い中ではあるが、お寺へ行きた... -
下宝沢 蔵王大権現(山形県山形市)―3mを超す大迫力の蔵王権現
山寺から2つほど峰を超えた南側に下宝沢(しもほうざわ)という地区がある。ここはかつては蔵王山へと向かう参道だった。今では表ルートではない道になったが、やはり今でも蔵王山へと向かう道がある。 その道を山へと進んでいくと、鳥居と「蔵王大権現」... -
竹林寺(奈良県桜井市)―鋭く深い彫りの衣紋が素晴らしい薬師如来
南円堂や東大寺などをめぐった奈良の旅も、この日が最終日。 本当は27日に奈良を離れる予定だったが、1日延長した。先日、仏像仲間たちのブログにアップされていて非常に興味を持った桜井市の山中にある竹林寺の薬師如来が、4月28日にご開帳になるという... -
南円堂特別開扉(奈良県奈良市)―康慶による原点回帰の堂々たる観音
今年の春は奈良がアツい!興福寺がアツい! 普段は1年に1日のみ、10月17日にしか開扉しない興福寺南円堂。その南円堂の創建1200年ということで、今年はなんと2ヶ月の長期に渡って開扉されるというのだから、アツくなるのも仕方ないのである。 私は物心... -
専長寺(愛知県西尾市)―京都から遷されてきた美しく気高い阿弥陀如来座像
西尾というとまず浄名寺、というイメージだったが、他にも近くにいい仏像が安置されたお寺があるか調べてみたところ、名古屋仏像研究会のナルサワさんのサイトである仏像ワンダーランドで、いくつかのお寺がヒットした。このサイトは、滋賀県の仏像情報を... -
中観音堂、長間薬師寺(岐阜県羽島市)―円空の出生地、温和な薬師如来とやんちゃな護法神
年末はだいたい、実家である愛知県犬山市へと帰省する。年越しをしてすぐ東京に帰ってくる、というのがパターンだ。 帰省して翌日、実家からは1時間ちょっとで行くことができる岐阜県の本巣市にある谷汲山華厳寺へと向かう。 2011年6月に和歌山県那智で発...
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